2025年9月10日(水)山形大学人文社会科学部科準教授の小幡圭祐氏を清川関所にお迎えして「歴史講座in清川」を開催しました。

テーマは明治天皇東北巡幸

明治14年に行われた東北巡幸では、庄内地域をはじめ山形県内各地を巡幸しました。

歴史講座in清川

酒田行在所を巡る経緯

庄内では清川と鶴岡、酒田に行在所が設けられます。
飽海郡役所資料には、行在所を酒田のどこに設けるかを巡って、いろいろなやりとりがあったと記録されています。当初は本間光輝の元邸宅を候補としていましたが、本間の別荘に変更。その後、政府官僚の視察を経て琢成学校に決定します。さらに飽海郡役所に変更となるも、最終的には当時本町六丁目にあった渡部作左衛門の家屋とすることとなりました。
この変遷には当時の郡長だった貴島宰輔と県知事の三島通庸、森藤右衛門の間で駆け引きがあったことが解説されました。

清川と明治天皇東北巡幸

東北巡幸の際、清川にも天皇が滞在する行在所が清川学校に設けられました。東田川郡役所資料が残っていませんが、隣接する飽海郡役所資料に関連する記述が見られるとのこと。

・戊辰戦争や西南戦争(政府軍に従事)した殉職者に対して給付金が下賜されたこと
・事前準備で氷雪や火鉢など調達に関して、飽海郡役所と東田川郡役所、山形県とのやり取りが記録されており、近隣の郡役所同士などで協力して準備が進められていたことが読み取れると解説されました。

色々なエピソード

後に首相を務めた原敬が飽海郡役所を訪問していることや江戸時代まで薬剤として食された肉類を明治天皇は好まれなかったことなどをお話されました。
終了後の質疑応答では、参加者から行在所が渡部作左衛門宅に決まった経緯や、配布された資料に関する質問などが出されました。

次回開催予定

次回は11月18日(火)に開催。上山郷土資料館 学芸員の長南伸治氏による講座で、テーマは「戊辰戦争期の庄内藩・上山藩の動向」を予定しています。問合せ・申込は清川関所(電話:0234-25-5885)まで。