哲学者・阿部次郎(明治16年[1883]8月27日生まれ)の生家を活用した「阿部記念館」(山形県酒田市松山地区)が、建物の老朽化により、2023年度末で閉館することを知りました。いつも建物の横を通っていながら、見学する機会がこれまでなく、今回これが「最初で最後」の訪問。じっくり見学します。
平成3年(1991年)に開館した阿部記念館。建物は大きな屋根がある明治初期の建築で、平屋建ての切妻(きりづま)造り。屋根は波型の瓦を積んだ桟瓦葺き(さんかわらぶき)となっています。
現在の玄関から入ると、右側に茶の間(受付)があり、正面が座敷、左側は奥へ土間が続きます。靴を脱いで上がった後、茶の間で受付・入館料をお支払いしました。館内の撮影はOKとのことで、早速茶の間から撮影と見学をスタート。
阿部次郎ご愛用の火鉢が置かれた「奥の間」
阿部次郎の甥で、生物生態学者の阿部襄に関する資料が展示されている「表の間」
店舗部分には最上街道に面した「通り土間」があり、建物側から見ると「摺り上げ戸」と思われる板戸が目に入りました。
街道を行き交う人々が店内へ入って来る様子を想像しながら、あちこち眺めていました。
阿部家では日用品やタバコ、反物などを販売する雑貨商を営んでいたそうで、当時の面影を色々感じることができます。
阿部記念館
住所:山形県酒田市山寺字宅地179-1
https://www.city.sakata.lg.jp/bunka/bunkazai/bunkazaishisetsu/abe_kinenkan.html